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自慰
榊原先生に相談したことで俺の気は少し晴れた
夕方部屋に戻った俺はトモキの帰りを待ったが奴はなかなか帰ってこない
昨夜はほとんど寝ていないこともあって9時頃には眠気が襲ってきて、
俺はとりあえず一度横になることにした
今日は写真も届いていない。先生の言葉に少し安心した俺は久々にゆっくり眠れる気がした。クーラーのない部屋だが窓を開けていると海風が入ってきて心地いい。
ボクサーパンツ一枚の姿で布団の上に身体を横にすると俺はすぐに眠りについてしまった。
不意にドンドンと部屋のドアを叩く音がした。
その音に目を覚ますと俺は時計を確認する。
時計は夜中の1時。本格的に寝てしまったようだ。
トモキが帰ってきて部屋に来たのかもしれない。俺はそう眠たい目をこすりながら玄関へと向かう。ドアを開けるとそこには誰もいない。
「あれ?誰かきたんじゃなかったのか?」
たしかにドアを叩く音がしたはずだ。
ふと郵便受けに目をやると眠る前にはなかったはずの茶封筒が目に入る。
慌てて封を切るとそこから出てきたのは写真ではなくDVDが1枚。
中身が気になって急いでデッキに入れると再生ボタンを押す。
そこに映し出されたのは見覚えのある茂みの中のフェンス。
あの女に呼び出されて向かった場所。
俺は大声で叫びそうになった。
喉が一瞬で渇き、身体がガタガタと震えてくる。
「まさか・・・これは・・・・あの時の・・・」
映像が進むと体操服姿のおれが高校生3人につれられて画面に入ってくる。
暴行され、抵抗空しく下着一枚の姿にされフェンスに縛られる俺。
「なんで・・・なんでこの映像が・・・・」
フェンスに縛られる俺をゲラゲラといやらしい笑い声をあげながら見つめるあの女の横にカメラがあったのは気づいていた。
下着を切られ全裸にされた俺をカメラが映していると思うと恥ずかしさが増す。
高校生が俺の耳元である言葉を囁きかける
ハッキリ覚えているあのいやらしい声。
「おまえオナニーしたことあるのか?」
首を振る俺。俺はまだそのときオナ二-をしたことがなかった。
オナニーという行為があることを知ったばかりでまだ経験していなかった。
ニヤリと笑う高校生の手が俺の股間を握る
握られた驚きと何をされるのか分からない恐怖に顔がゆがむ
そんな俺の姿をあの女は正面から大笑しながら眺めている。
中学1年の男子が女子にまじまじと全裸を見られているのだ。
消えてなっくなってしまいたいほどの恥ずかしさをハッキリ覚えている
かつての俺が映される映像を見ながら、あの屈辱的が甦る
だが、なぜか俺の右手は股間を、左手は乳首を弄り始めていた。
あの時味わったのは恐怖と同時に初めての快楽だったのだ。
俺が生れて初めて味わい、そして忘れることのできない快楽
俺はそれを思い出しながら、ボクサーパンツの中に手を入れた
榊原先生に相談したことで俺の気は少し晴れた
夕方部屋に戻った俺はトモキの帰りを待ったが奴はなかなか帰ってこない
昨夜はほとんど寝ていないこともあって9時頃には眠気が襲ってきて、
俺はとりあえず一度横になることにした
今日は写真も届いていない。先生の言葉に少し安心した俺は久々にゆっくり眠れる気がした。クーラーのない部屋だが窓を開けていると海風が入ってきて心地いい。
ボクサーパンツ一枚の姿で布団の上に身体を横にすると俺はすぐに眠りについてしまった。
不意にドンドンと部屋のドアを叩く音がした。
その音に目を覚ますと俺は時計を確認する。
時計は夜中の1時。本格的に寝てしまったようだ。
トモキが帰ってきて部屋に来たのかもしれない。俺はそう眠たい目をこすりながら玄関へと向かう。ドアを開けるとそこには誰もいない。
「あれ?誰かきたんじゃなかったのか?」
たしかにドアを叩く音がしたはずだ。
ふと郵便受けに目をやると眠る前にはなかったはずの茶封筒が目に入る。
慌てて封を切るとそこから出てきたのは写真ではなくDVDが1枚。
中身が気になって急いでデッキに入れると再生ボタンを押す。
そこに映し出されたのは見覚えのある茂みの中のフェンス。
あの女に呼び出されて向かった場所。
俺は大声で叫びそうになった。
喉が一瞬で渇き、身体がガタガタと震えてくる。
「まさか・・・これは・・・・あの時の・・・」
映像が進むと体操服姿のおれが高校生3人につれられて画面に入ってくる。
暴行され、抵抗空しく下着一枚の姿にされフェンスに縛られる俺。
「なんで・・・なんでこの映像が・・・・」
フェンスに縛られる俺をゲラゲラといやらしい笑い声をあげながら見つめるあの女の横にカメラがあったのは気づいていた。
下着を切られ全裸にされた俺をカメラが映していると思うと恥ずかしさが増す。
高校生が俺の耳元である言葉を囁きかける
ハッキリ覚えているあのいやらしい声。
「おまえオナニーしたことあるのか?」
首を振る俺。俺はまだそのときオナ二-をしたことがなかった。
オナニーという行為があることを知ったばかりでまだ経験していなかった。
ニヤリと笑う高校生の手が俺の股間を握る
握られた驚きと何をされるのか分からない恐怖に顔がゆがむ
そんな俺の姿をあの女は正面から大笑しながら眺めている。
中学1年の男子が女子にまじまじと全裸を見られているのだ。
消えてなっくなってしまいたいほどの恥ずかしさをハッキリ覚えている
かつての俺が映される映像を見ながら、あの屈辱的が甦る
だが、なぜか俺の右手は股間を、左手は乳首を弄り始めていた。
あの時味わったのは恐怖と同時に初めての快楽だったのだ。
俺が生れて初めて味わい、そして忘れることのできない快楽
俺はそれを思い出しながら、ボクサーパンツの中に手を入れた
暴行
フェンスに縛られたまま全裸にされた少年
腹をサンドバッグのように殴られぐったりとうなだれた少年は
胃液を口から吐き出した。
殴っていた制服姿のひとりが少年に何かを囁く。
その言葉に少年は弱々しく首を横に振る。
言葉を掛けた制服姿のひとりがふいに少年の股間に手を当て握る。
少年の顔が大きく歪む。
その歳の少年としては普通サイズの肉棒の周りには毛がうっすら生えかけている
その肉棒をしっかりと握り扱き始める手
少年の困惑した表情は次第に何を訴えかけるものに変わる。
数分も経つと少年の下半身が大きく動きはじめる
何かを叫びながら懇願する少年。
そして・・・
白いものが少年の肉棒から発射された。
>紘人射精完了w
>あ~あいっちゃった
>人にイカせてもらえるなんてうらやましいw
>イッた後の呆然とした表情が可愛い
>声がまともに入ってないのがつまらん・・・
>逆にいろいろ想像してしまったぞ
>紘人はいじめられてたんか?
>そんな記録はないぞ
>じゃあなんでこんな動画が残ってんだ
>意味不明・・・けど投稿者に感謝だな
>うむ、感謝感謝
>しっかし公開射精とは無残だな
>この歳でこれはキツイだろうな
>ちらちらと女の姿が映ってたけど見てたのか?
>うらやまし~俺もその場にいたかった
>今の紘人もいいけどこのころも十分かわいいw
30分程度の動画にサイトの住人たちは色めき立つ
そんなサイトの様子にひとりの男がモニター越しにニヤリとほくそ笑む
その男の手もとには一枚のDVDと茶封筒が置かれている。
茶封筒に文字を書き始める男
“ 但馬紘人さまへ ”
フェンスに縛られたまま全裸にされた少年
腹をサンドバッグのように殴られぐったりとうなだれた少年は
胃液を口から吐き出した。
殴っていた制服姿のひとりが少年に何かを囁く。
その言葉に少年は弱々しく首を横に振る。
言葉を掛けた制服姿のひとりがふいに少年の股間に手を当て握る。
少年の顔が大きく歪む。
その歳の少年としては普通サイズの肉棒の周りには毛がうっすら生えかけている
その肉棒をしっかりと握り扱き始める手
少年の困惑した表情は次第に何を訴えかけるものに変わる。
数分も経つと少年の下半身が大きく動きはじめる
何かを叫びながら懇願する少年。
そして・・・
白いものが少年の肉棒から発射された。
>紘人射精完了w
>あ~あいっちゃった
>人にイカせてもらえるなんてうらやましいw
>イッた後の呆然とした表情が可愛い
>声がまともに入ってないのがつまらん・・・
>逆にいろいろ想像してしまったぞ
>紘人はいじめられてたんか?
>そんな記録はないぞ
>じゃあなんでこんな動画が残ってんだ
>意味不明・・・けど投稿者に感謝だな
>うむ、感謝感謝
>しっかし公開射精とは無残だな
>この歳でこれはキツイだろうな
>ちらちらと女の姿が映ってたけど見てたのか?
>うらやまし~俺もその場にいたかった
>今の紘人もいいけどこのころも十分かわいいw
30分程度の動画にサイトの住人たちは色めき立つ
そんなサイトの様子にひとりの男がモニター越しにニヤリとほくそ笑む
その男の手もとには一枚のDVDと茶封筒が置かれている。
茶封筒に文字を書き始める男
“ 但馬紘人さまへ ”
動画
その夜、裏サイト「但馬紘人の部屋」ではある投稿動画に注目が集まっていた。
この裏サイトに参加する為にはある条件がある。紘人の情報もしくは写真を
管理人に送り、紘人に対する思いを認めてもらうことだ。管理人が承認するとパスワードが送付されてきて、はじめてこのサイトに入ることができるのだ。
現在この部屋には15人の住人が管理人に認められ訪問をつづけている。
定期的に変更されるパスワードを知る為には、定期的に情報や写真をアップすること。
毎日一度はこのサイトにアクセスすることが条件だ。
これまでも様々な情報とともに、小学校、中学校、高校の卒業写真や修学旅行の写真をはじめ、家族旅行の写真、友達とのプリクラとどこからか手に入れた紘人の過去の写真が公開されてきたが、動画は公開されたことがなかった。
しかし今、ほぼ全員の住人が見守る中、新しく参加を認められた住人がもたらしたある動画が公開されたのだ
どこか分からない茂みのなかのフェンスが映されている。
しばらく変化なくフェンスだけが映し出された画面が一瞬大きく揺れると
体操服を着た一人の少年が3人の制服姿の少年たちにひきずられるように画面の中に入ってきた。
>なんだ?この動画?
>紘人が映ってないぞ!
>間違ってないか?
>なんでこんな動画がここにあるんだよ
>中学生じゃん・・管理人なんのつもりだ・・・
>ちょっと待て!体操服のゼッケン見ろ
>え?マジ!!!但馬紘人って・・・紘人なのか!!!
>マジか!!すげええ!!紘人の中学生姿!!萌ええ!!
>1年3組ってことは中1の紘人か!!
>かわいいw
>えらい細いな・・・今と同じ色黒だけどw
画面の〝但馬紘人″のゼッケンをつけた少年は3人の少年から逃げようとしているようだ。
3人に囲まれ逃げ場を見つけられない少年は羽交い絞めにされ腹を何発も殴られ、顔にビンタを喰らう。
ぐったりした少年は次第に抵抗をしなくなる。
時折少年の泣きそうな恐怖に満ちた表情がちらちらと映される。
ぐったりし少年の体操服を脱がす3人の少年。
抵抗むなしく下着だけの姿にされた少年はそのまま背後のフェンスに手足を大の字に広げた状態で縛りつけられてしまう。
>ええ~~紘人いじめられてる~~~
>えぐいぞこれ!リアルいじめ!!
>けど、うっすら筋肉のついた身体がエロいぞ!
>どうなるんだ!!リンチか!!
>紘人かわいそおお
住人達が興奮しながら見る動画はさらに先に進む。
下着姿のまま何度か腹をボコられる少年
そして、ほとんど抵抗しなくなった少年の下着がハサミで切り落とされた。
その夜、裏サイト「但馬紘人の部屋」ではある投稿動画に注目が集まっていた。
この裏サイトに参加する為にはある条件がある。紘人の情報もしくは写真を
管理人に送り、紘人に対する思いを認めてもらうことだ。管理人が承認するとパスワードが送付されてきて、はじめてこのサイトに入ることができるのだ。
現在この部屋には15人の住人が管理人に認められ訪問をつづけている。
定期的に変更されるパスワードを知る為には、定期的に情報や写真をアップすること。
毎日一度はこのサイトにアクセスすることが条件だ。
これまでも様々な情報とともに、小学校、中学校、高校の卒業写真や修学旅行の写真をはじめ、家族旅行の写真、友達とのプリクラとどこからか手に入れた紘人の過去の写真が公開されてきたが、動画は公開されたことがなかった。
しかし今、ほぼ全員の住人が見守る中、新しく参加を認められた住人がもたらしたある動画が公開されたのだ
どこか分からない茂みのなかのフェンスが映されている。
しばらく変化なくフェンスだけが映し出された画面が一瞬大きく揺れると
体操服を着た一人の少年が3人の制服姿の少年たちにひきずられるように画面の中に入ってきた。
>なんだ?この動画?
>紘人が映ってないぞ!
>間違ってないか?
>なんでこんな動画がここにあるんだよ
>中学生じゃん・・管理人なんのつもりだ・・・
>ちょっと待て!体操服のゼッケン見ろ
>え?マジ!!!但馬紘人って・・・紘人なのか!!!
>マジか!!すげええ!!紘人の中学生姿!!萌ええ!!
>1年3組ってことは中1の紘人か!!
>かわいいw
>えらい細いな・・・今と同じ色黒だけどw
画面の〝但馬紘人″のゼッケンをつけた少年は3人の少年から逃げようとしているようだ。
3人に囲まれ逃げ場を見つけられない少年は羽交い絞めにされ腹を何発も殴られ、顔にビンタを喰らう。
ぐったりした少年は次第に抵抗をしなくなる。
時折少年の泣きそうな恐怖に満ちた表情がちらちらと映される。
ぐったりし少年の体操服を脱がす3人の少年。
抵抗むなしく下着だけの姿にされた少年はそのまま背後のフェンスに手足を大の字に広げた状態で縛りつけられてしまう。
>ええ~~紘人いじめられてる~~~
>えぐいぞこれ!リアルいじめ!!
>けど、うっすら筋肉のついた身体がエロいぞ!
>どうなるんだ!!リンチか!!
>紘人かわいそおお
住人達が興奮しながら見る動画はさらに先に進む。
下着姿のまま何度か腹をボコられる少年
そして、ほとんど抵抗しなくなった少年の下着がハサミで切り落とされた。
恩師
榊原真一先生。それが恩師の名前
俺が中学1年の時の担任で、同時に所属していた水泳部の顧問だった人。
その当時先生はまだ25歳のまだまだ若い先生で、先生というよりお兄ちゃん的な存在で生徒たちの間でも人気があった。目の前に現われた榊原先生は、色黒で短髪、少し童顔の笑顔は当時とほとんど変わらず、30代になった今もお兄ちゃん的な風貌はそのままだ。
「先生、今日も泳ぎにきたんですか?」
「いや、今日はこの近くの学校に用事があってな。時間あるから寄ってみたんだ」
「あいかわらず海好きなんすね」
「まあな。海はやっぱいいよ。見てるだけでイヤな事を忘れさせてくれる」
実は先生も大学時代ライフ―セーバーだった。俺が中学の頃も夏休みに水泳部の練習が終わった後、よく車で俺をこの海に連れてきてくれた。その時折にライフセーバーのすごさ、面白さを俺に語ってくれた。そして大勢いる海水浴客の中を鍛えられた逆三角形の体型に競パン姿でさっそうと泳ぐ先生の姿に俺は憧れた。この先生との出会いが、俺がライフセーバーを志すきっかけだったのだ。
先生は俺の事をよく気にかけてくれた。ある出来事があって落ち込む俺を水泳部に誘ってくれたのも先生だ。高校に進学してからも水泳の競技会がある度に顔を見せて俺を応援してくれたりもした。大学に進学しライフセーバーになったことを我がことのように喜んでくれた。俺にとって先生はホントの兄貴のような存在で、今でもいろんな悩みを先生に打ち明け相談に乗ってもらっている。
「紘人は今日は海岸に出ないのか?」
「今日は休みなんす。けどなんか部屋にいたくなくて」
「浮かない顔をしてるな。なんかあったのか?」
「ん~まあ・・・ 今朝またあの夢みたんですよ・・・」
「あの夢?大学入ってから見てないっていってただろ」
「大学入ってからは今朝が初めてです。俺またストーカーされてるみたいなんすよ」
俺はこの一週間の出来事を先生に話し、昨日届いた写真を見せる。
「こりゃひどいな。ここまでやるとなると相手もかなり本気だな」
「この前雑誌に載ってから、勝手に写真撮られたりはあったんですけどね。
こんなところまで撮られてさらに送り付けられるとなんか怖くて」
夏が始まる前、俺はある雑誌の取材を受けた。各地のライフセーバーを紹介する特集記事で俺もその一人として紹介された。1ページの一部に載っただけだがこの夏は去年よりは一緒に写真撮ってくださいと言われることが多くなった。
「あの雑誌の影響ってことか?けど部屋まで送ってくるってことはかなりお前のこと調べてることになるな」
「あの女じゃないですよね?あの女が雑誌を見て、また俺を・・・」
「おいおい、あれはもう7年も前のことじゃないか。
それにあの子はもうお前を狙ったりできないよ」
「え?どういうことですか?なんでできないんです?」
「お前には話してなかったけどな。あの子はさ、4年前に交通事故で亡くなってるんだ」
「交通事故・・・4年前・・・なんで教えてくれなかったんですか?」
「お前はあの時のこと忘れようと頑張ってたんだ。そんな時にまた思い出すようなことは言いたくなかったんだ」
「そっか・・・すいません。先生気を使ってくれたんすね。
けどだったら誰なんすかね?こんなことしてくるなんて。
俺またあの時みたいな思いするのイヤなんす」
「言っただろあれはもう7年も前のことだ。あの時と今じゃお前は全然違う。
ライフセーバーとして鍛えてデカくなったお前をどうこうできるもんじゃないだろ」
「そうですよね・・・あの時とは違いますよね」
「そうだよ。そんな分厚い胸しといて、なんかされると思うほうがおかしいんだよ」
「分厚いってw 先生に近づこうと頑張ってトレしてますからね。俺の胸筋、セーバーの中でもけっこう分厚いほうなんすよ」
「だろうな。お前大学入ってからかなりいい体になってるからな
だから安心しろ。前みたいなことにはならないから。お前が変に反応したら相手の思う壺だろ。ほっといたらいい。そのうち相手も諦めるよ。もしこれ以上エスカレートするようだったら俺が一緒に警察に行ってやるから」
「はい!じゃあその時はお願いします!けど警察なんてイヤっすからね。
セーバーに集中したいのに。さっさと諦めてくれたらいいんだけど」
先生に相談するとこうやって心が楽になる。
いつも先生は太陽のような笑顔で俺の心を和ましてくれる。
それまで悩んでいたことがそんなに大したことじゃないように思えてくるのだ。
何かあれば先生がきっと助けてくれる。それが俺の心の支えだった。
榊原真一先生。それが恩師の名前
俺が中学1年の時の担任で、同時に所属していた水泳部の顧問だった人。
その当時先生はまだ25歳のまだまだ若い先生で、先生というよりお兄ちゃん的な存在で生徒たちの間でも人気があった。目の前に現われた榊原先生は、色黒で短髪、少し童顔の笑顔は当時とほとんど変わらず、30代になった今もお兄ちゃん的な風貌はそのままだ。
「先生、今日も泳ぎにきたんですか?」
「いや、今日はこの近くの学校に用事があってな。時間あるから寄ってみたんだ」
「あいかわらず海好きなんすね」
「まあな。海はやっぱいいよ。見てるだけでイヤな事を忘れさせてくれる」
実は先生も大学時代ライフ―セーバーだった。俺が中学の頃も夏休みに水泳部の練習が終わった後、よく車で俺をこの海に連れてきてくれた。その時折にライフセーバーのすごさ、面白さを俺に語ってくれた。そして大勢いる海水浴客の中を鍛えられた逆三角形の体型に競パン姿でさっそうと泳ぐ先生の姿に俺は憧れた。この先生との出会いが、俺がライフセーバーを志すきっかけだったのだ。
先生は俺の事をよく気にかけてくれた。ある出来事があって落ち込む俺を水泳部に誘ってくれたのも先生だ。高校に進学してからも水泳の競技会がある度に顔を見せて俺を応援してくれたりもした。大学に進学しライフセーバーになったことを我がことのように喜んでくれた。俺にとって先生はホントの兄貴のような存在で、今でもいろんな悩みを先生に打ち明け相談に乗ってもらっている。
「紘人は今日は海岸に出ないのか?」
「今日は休みなんす。けどなんか部屋にいたくなくて」
「浮かない顔をしてるな。なんかあったのか?」
「ん~まあ・・・ 今朝またあの夢みたんですよ・・・」
「あの夢?大学入ってから見てないっていってただろ」
「大学入ってからは今朝が初めてです。俺またストーカーされてるみたいなんすよ」
俺はこの一週間の出来事を先生に話し、昨日届いた写真を見せる。
「こりゃひどいな。ここまでやるとなると相手もかなり本気だな」
「この前雑誌に載ってから、勝手に写真撮られたりはあったんですけどね。
こんなところまで撮られてさらに送り付けられるとなんか怖くて」
夏が始まる前、俺はある雑誌の取材を受けた。各地のライフセーバーを紹介する特集記事で俺もその一人として紹介された。1ページの一部に載っただけだがこの夏は去年よりは一緒に写真撮ってくださいと言われることが多くなった。
「あの雑誌の影響ってことか?けど部屋まで送ってくるってことはかなりお前のこと調べてることになるな」
「あの女じゃないですよね?あの女が雑誌を見て、また俺を・・・」
「おいおい、あれはもう7年も前のことじゃないか。
それにあの子はもうお前を狙ったりできないよ」
「え?どういうことですか?なんでできないんです?」
「お前には話してなかったけどな。あの子はさ、4年前に交通事故で亡くなってるんだ」
「交通事故・・・4年前・・・なんで教えてくれなかったんですか?」
「お前はあの時のこと忘れようと頑張ってたんだ。そんな時にまた思い出すようなことは言いたくなかったんだ」
「そっか・・・すいません。先生気を使ってくれたんすね。
けどだったら誰なんすかね?こんなことしてくるなんて。
俺またあの時みたいな思いするのイヤなんす」
「言っただろあれはもう7年も前のことだ。あの時と今じゃお前は全然違う。
ライフセーバーとして鍛えてデカくなったお前をどうこうできるもんじゃないだろ」
「そうですよね・・・あの時とは違いますよね」
「そうだよ。そんな分厚い胸しといて、なんかされると思うほうがおかしいんだよ」
「分厚いってw 先生に近づこうと頑張ってトレしてますからね。俺の胸筋、セーバーの中でもけっこう分厚いほうなんすよ」
「だろうな。お前大学入ってからかなりいい体になってるからな
だから安心しろ。前みたいなことにはならないから。お前が変に反応したら相手の思う壺だろ。ほっといたらいい。そのうち相手も諦めるよ。もしこれ以上エスカレートするようだったら俺が一緒に警察に行ってやるから」
「はい!じゃあその時はお願いします!けど警察なんてイヤっすからね。
セーバーに集中したいのに。さっさと諦めてくれたらいいんだけど」
先生に相談するとこうやって心が楽になる。
いつも先生は太陽のような笑顔で俺の心を和ましてくれる。
それまで悩んでいたことがそんなに大したことじゃないように思えてくるのだ。
何かあれば先生がきっと助けてくれる。それが俺の心の支えだった。
目覚め
悶々とした夜を眠れないまま過ごした紘人がようやく浅い眠りについたのは明け方だった。
しかしその浅い眠りが、紘人の忘れようとしていたいまわしい過去を呼び覚まさす。
「やめろ!やめてくれ!!」
夢にうなされ、大きな声をあげながら目を覚ます。
起き上がった紘人の身体は全身汗にまみれていた。
大学に入ってからはほとんど見ることがなかったあの悪夢。
「またあの時のように・・・・
違う!今の俺はあのときと違う。強くなったんだ」
悪夢を振り切るように何度も何度も水で顔を洗う紘人の目はうつろだった。
その日は10日ぶりの休みだった。
同じく休みをもらっているトモキに昨日届いた写真を見せようと隣室のドアをノックしたが応答がない
「今から久々のデートっすよ」
昨日の夕方、得意げに話していたトモキの言葉を思い出す。
どうやら昨夜から部屋には戻ってきていないらしい。
唯一、事の成り行きを知り頼りにしていた後輩が、
自分が苦しんでいる今も彼女とよろしくやっているのかと思うとよけいに気が落ち込む。
紘人の足はそのまま海岸へと向かった。
「あれ紘人?。お前休みじゃなかったのか?」
声を掛ける仲間への返事もそこそこにライフセーバー達が使用する更衣室、シャワー室を見て回る。予想していた通りそこには紘人が探しているのものはなかった。
「あるわけないか・・・当たり前だよな」
誰かが盗撮する為に仕掛けたカメラがもしかすると残っているかもとやってきたが、
やはりもう回収されていたようだ。
「たとえあったとしても、そこからどうやって犯人みつけりゃいいんだよ」
ひとりでぼやきながら更衣室を出ると、雲ひとつない空から太陽の光が紘人を照りつけた。
「あ~どうしりゃいんだよ!」
途方にくれて海岸の隅にある堤防に力なく腰掛けると、そこからは
海ではしゃぐ子供連れの家族や浜でビーチバレーに興ずる学生たちの姿が見える。
見慣れたはずの光景が今日はなぜか眩しく見える。
ぼーっと海岸の光景を眺める紘人に一人の男性が声をかけた
「よう!紘人じゃないか!」
その声に我に返り、その男を見た瞬間、紘人の顔に笑顔がわずかに戻った。
「先生!来てたんですか!」
紘人が顔を向けたその先には、紘人の中学時代の恩師が立っていた。
悶々とした夜を眠れないまま過ごした紘人がようやく浅い眠りについたのは明け方だった。
しかしその浅い眠りが、紘人の忘れようとしていたいまわしい過去を呼び覚まさす。
「やめろ!やめてくれ!!」
夢にうなされ、大きな声をあげながら目を覚ます。
起き上がった紘人の身体は全身汗にまみれていた。
大学に入ってからはほとんど見ることがなかったあの悪夢。
「またあの時のように・・・・
違う!今の俺はあのときと違う。強くなったんだ」
悪夢を振り切るように何度も何度も水で顔を洗う紘人の目はうつろだった。
その日は10日ぶりの休みだった。
同じく休みをもらっているトモキに昨日届いた写真を見せようと隣室のドアをノックしたが応答がない
「今から久々のデートっすよ」
昨日の夕方、得意げに話していたトモキの言葉を思い出す。
どうやら昨夜から部屋には戻ってきていないらしい。
唯一、事の成り行きを知り頼りにしていた後輩が、
自分が苦しんでいる今も彼女とよろしくやっているのかと思うとよけいに気が落ち込む。
紘人の足はそのまま海岸へと向かった。
「あれ紘人?。お前休みじゃなかったのか?」
声を掛ける仲間への返事もそこそこにライフセーバー達が使用する更衣室、シャワー室を見て回る。予想していた通りそこには紘人が探しているのものはなかった。
「あるわけないか・・・当たり前だよな」
誰かが盗撮する為に仕掛けたカメラがもしかすると残っているかもとやってきたが、
やはりもう回収されていたようだ。
「たとえあったとしても、そこからどうやって犯人みつけりゃいいんだよ」
ひとりでぼやきながら更衣室を出ると、雲ひとつない空から太陽の光が紘人を照りつけた。
「あ~どうしりゃいんだよ!」
途方にくれて海岸の隅にある堤防に力なく腰掛けると、そこからは
海ではしゃぐ子供連れの家族や浜でビーチバレーに興ずる学生たちの姿が見える。
見慣れたはずの光景が今日はなぜか眩しく見える。
ぼーっと海岸の光景を眺める紘人に一人の男性が声をかけた
「よう!紘人じゃないか!」
その声に我に返り、その男を見た瞬間、紘人の顔に笑顔がわずかに戻った。
「先生!来てたんですか!」
紘人が顔を向けたその先には、紘人の中学時代の恩師が立っていた。