上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
恩師
榊原真一先生。それが恩師の名前
俺が中学1年の時の担任で、同時に所属していた水泳部の顧問だった人。
その当時先生はまだ25歳のまだまだ若い先生で、先生というよりお兄ちゃん的な存在で生徒たちの間でも人気があった。目の前に現われた榊原先生は、色黒で短髪、少し童顔の笑顔は当時とほとんど変わらず、30代になった今もお兄ちゃん的な風貌はそのままだ。
「先生、今日も泳ぎにきたんですか?」
「いや、今日はこの近くの学校に用事があってな。時間あるから寄ってみたんだ」
「あいかわらず海好きなんすね」
「まあな。海はやっぱいいよ。見てるだけでイヤな事を忘れさせてくれる」
実は先生も大学時代ライフ―セーバーだった。俺が中学の頃も夏休みに水泳部の練習が終わった後、よく車で俺をこの海に連れてきてくれた。その時折にライフセーバーのすごさ、面白さを俺に語ってくれた。そして大勢いる海水浴客の中を鍛えられた逆三角形の体型に競パン姿でさっそうと泳ぐ先生の姿に俺は憧れた。この先生との出会いが、俺がライフセーバーを志すきっかけだったのだ。
先生は俺の事をよく気にかけてくれた。ある出来事があって落ち込む俺を水泳部に誘ってくれたのも先生だ。高校に進学してからも水泳の競技会がある度に顔を見せて俺を応援してくれたりもした。大学に進学しライフセーバーになったことを我がことのように喜んでくれた。俺にとって先生はホントの兄貴のような存在で、今でもいろんな悩みを先生に打ち明け相談に乗ってもらっている。
「紘人は今日は海岸に出ないのか?」
「今日は休みなんす。けどなんか部屋にいたくなくて」
「浮かない顔をしてるな。なんかあったのか?」
「ん~まあ・・・ 今朝またあの夢みたんですよ・・・」
「あの夢?大学入ってから見てないっていってただろ」
「大学入ってからは今朝が初めてです。俺またストーカーされてるみたいなんすよ」
俺はこの一週間の出来事を先生に話し、昨日届いた写真を見せる。
「こりゃひどいな。ここまでやるとなると相手もかなり本気だな」
「この前雑誌に載ってから、勝手に写真撮られたりはあったんですけどね。
こんなところまで撮られてさらに送り付けられるとなんか怖くて」
夏が始まる前、俺はある雑誌の取材を受けた。各地のライフセーバーを紹介する特集記事で俺もその一人として紹介された。1ページの一部に載っただけだがこの夏は去年よりは一緒に写真撮ってくださいと言われることが多くなった。
「あの雑誌の影響ってことか?けど部屋まで送ってくるってことはかなりお前のこと調べてることになるな」
「あの女じゃないですよね?あの女が雑誌を見て、また俺を・・・」
「おいおい、あれはもう7年も前のことじゃないか。
それにあの子はもうお前を狙ったりできないよ」
「え?どういうことですか?なんでできないんです?」
「お前には話してなかったけどな。あの子はさ、4年前に交通事故で亡くなってるんだ」
「交通事故・・・4年前・・・なんで教えてくれなかったんですか?」
「お前はあの時のこと忘れようと頑張ってたんだ。そんな時にまた思い出すようなことは言いたくなかったんだ」
「そっか・・・すいません。先生気を使ってくれたんすね。
けどだったら誰なんすかね?こんなことしてくるなんて。
俺またあの時みたいな思いするのイヤなんす」
「言っただろあれはもう7年も前のことだ。あの時と今じゃお前は全然違う。
ライフセーバーとして鍛えてデカくなったお前をどうこうできるもんじゃないだろ」
「そうですよね・・・あの時とは違いますよね」
「そうだよ。そんな分厚い胸しといて、なんかされると思うほうがおかしいんだよ」
「分厚いってw 先生に近づこうと頑張ってトレしてますからね。俺の胸筋、セーバーの中でもけっこう分厚いほうなんすよ」
「だろうな。お前大学入ってからかなりいい体になってるからな
だから安心しろ。前みたいなことにはならないから。お前が変に反応したら相手の思う壺だろ。ほっといたらいい。そのうち相手も諦めるよ。もしこれ以上エスカレートするようだったら俺が一緒に警察に行ってやるから」
「はい!じゃあその時はお願いします!けど警察なんてイヤっすからね。
セーバーに集中したいのに。さっさと諦めてくれたらいいんだけど」
先生に相談するとこうやって心が楽になる。
いつも先生は太陽のような笑顔で俺の心を和ましてくれる。
それまで悩んでいたことがそんなに大したことじゃないように思えてくるのだ。
何かあれば先生がきっと助けてくれる。それが俺の心の支えだった。
榊原真一先生。それが恩師の名前
俺が中学1年の時の担任で、同時に所属していた水泳部の顧問だった人。
その当時先生はまだ25歳のまだまだ若い先生で、先生というよりお兄ちゃん的な存在で生徒たちの間でも人気があった。目の前に現われた榊原先生は、色黒で短髪、少し童顔の笑顔は当時とほとんど変わらず、30代になった今もお兄ちゃん的な風貌はそのままだ。
「先生、今日も泳ぎにきたんですか?」
「いや、今日はこの近くの学校に用事があってな。時間あるから寄ってみたんだ」
「あいかわらず海好きなんすね」
「まあな。海はやっぱいいよ。見てるだけでイヤな事を忘れさせてくれる」
実は先生も大学時代ライフ―セーバーだった。俺が中学の頃も夏休みに水泳部の練習が終わった後、よく車で俺をこの海に連れてきてくれた。その時折にライフセーバーのすごさ、面白さを俺に語ってくれた。そして大勢いる海水浴客の中を鍛えられた逆三角形の体型に競パン姿でさっそうと泳ぐ先生の姿に俺は憧れた。この先生との出会いが、俺がライフセーバーを志すきっかけだったのだ。
先生は俺の事をよく気にかけてくれた。ある出来事があって落ち込む俺を水泳部に誘ってくれたのも先生だ。高校に進学してからも水泳の競技会がある度に顔を見せて俺を応援してくれたりもした。大学に進学しライフセーバーになったことを我がことのように喜んでくれた。俺にとって先生はホントの兄貴のような存在で、今でもいろんな悩みを先生に打ち明け相談に乗ってもらっている。
「紘人は今日は海岸に出ないのか?」
「今日は休みなんす。けどなんか部屋にいたくなくて」
「浮かない顔をしてるな。なんかあったのか?」
「ん~まあ・・・ 今朝またあの夢みたんですよ・・・」
「あの夢?大学入ってから見てないっていってただろ」
「大学入ってからは今朝が初めてです。俺またストーカーされてるみたいなんすよ」
俺はこの一週間の出来事を先生に話し、昨日届いた写真を見せる。
「こりゃひどいな。ここまでやるとなると相手もかなり本気だな」
「この前雑誌に載ってから、勝手に写真撮られたりはあったんですけどね。
こんなところまで撮られてさらに送り付けられるとなんか怖くて」
夏が始まる前、俺はある雑誌の取材を受けた。各地のライフセーバーを紹介する特集記事で俺もその一人として紹介された。1ページの一部に載っただけだがこの夏は去年よりは一緒に写真撮ってくださいと言われることが多くなった。
「あの雑誌の影響ってことか?けど部屋まで送ってくるってことはかなりお前のこと調べてることになるな」
「あの女じゃないですよね?あの女が雑誌を見て、また俺を・・・」
「おいおい、あれはもう7年も前のことじゃないか。
それにあの子はもうお前を狙ったりできないよ」
「え?どういうことですか?なんでできないんです?」
「お前には話してなかったけどな。あの子はさ、4年前に交通事故で亡くなってるんだ」
「交通事故・・・4年前・・・なんで教えてくれなかったんですか?」
「お前はあの時のこと忘れようと頑張ってたんだ。そんな時にまた思い出すようなことは言いたくなかったんだ」
「そっか・・・すいません。先生気を使ってくれたんすね。
けどだったら誰なんすかね?こんなことしてくるなんて。
俺またあの時みたいな思いするのイヤなんす」
「言っただろあれはもう7年も前のことだ。あの時と今じゃお前は全然違う。
ライフセーバーとして鍛えてデカくなったお前をどうこうできるもんじゃないだろ」
「そうですよね・・・あの時とは違いますよね」
「そうだよ。そんな分厚い胸しといて、なんかされると思うほうがおかしいんだよ」
「分厚いってw 先生に近づこうと頑張ってトレしてますからね。俺の胸筋、セーバーの中でもけっこう分厚いほうなんすよ」
「だろうな。お前大学入ってからかなりいい体になってるからな
だから安心しろ。前みたいなことにはならないから。お前が変に反応したら相手の思う壺だろ。ほっといたらいい。そのうち相手も諦めるよ。もしこれ以上エスカレートするようだったら俺が一緒に警察に行ってやるから」
「はい!じゃあその時はお願いします!けど警察なんてイヤっすからね。
セーバーに集中したいのに。さっさと諦めてくれたらいいんだけど」
先生に相談するとこうやって心が楽になる。
いつも先生は太陽のような笑顔で俺の心を和ましてくれる。
それまで悩んでいたことがそんなに大したことじゃないように思えてくるのだ。
何かあれば先生がきっと助けてくれる。それが俺の心の支えだった。